幼稚園・保育園の園長先生インタビュー 『園長先生に聞いてみよう』
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第2回
ホザナ幼稚園(神戸市)小西忠礼理事長先生

一流シェフが理事長先生という幼稚園がある!? と聞きつけ、半信半疑で、神戸は六甲にあるホザナ幼稚園を訪問しました。厳格そうな68歳の理事長先生は、話はじめると身振り手振りを交えられて、それは楽しそうに話される温かな方でした。

ホザナ幼稚園先生料理人として、人をもてなす気持ちは、幼稚園で子どもをもてなす気持ちと同じと語られ、楽天家なのですよとおおらかに笑う先生の雰囲気は、そのまま園の雰囲気になっているような印象を受けました。
(聞き手 OYAIKU運営局 岩貞光祐)

若くして単身フランスに料理修行に行かれたと聞きましたが

渡仏したのはまだ海外渡航が珍しかった1967年、26歳の時でした。食べることが好きで脱サラリーマンとして料理の世界に飛び込んだのですが、やるからには、世界最高峰ホテル・リッツ(パリ)で働きたいと考えるようになりました。

これだと決めるとがむしゃらに向かっていくタイプなのですよ。渡仏旅費が足りなくて文字通り片道切符でフランスに渡りました。働きながら、ホテル・リッツに雇って欲しいと1年半通い続けましたね。履歴書が山ほどくる名門ホテルですから、どこの馬の骨かも分からない日本人の私など何度訪ねてもダメと言われました。それでも毎回、ホテルのディレクター(社長)さんは会ってくれたのです。もう来ないようにと何度も怒られもしましたが(笑)。

ホザナ幼稚園毎月毎月訪問し、1年半がたった時、さすがに自分でもそろそろダメかなと思うようになり、もし今日断られたら日本に帰ろう・・・と本当に最後に決心して訪問しました。

その日は、なぜかこれまで一度もなかったことですが、厨房を見るかと言って調理場へご案内下さり、総料理長と会うことを許されたのです。少し話をして、途中で総料理長がどこかへ行ってしまったのですね。あ・・・終わったと思いました。

ところが戻ってきた総料理長は、いきなり「いつから来るんだ」と切り出されたのです。私はあまりにも突然なので、何度も何度も聞き返しました。でも本当だったのです。その時、何事も信じて門をたたき続ければ思いは必ず叶うという人生の上で分水嶺になる、大変、大きな体験をしました。

幼稚園に関わることになったのはなぜですか?

ホザナ幼稚園は今年で開園55年になるのですが、最初は義理の母と妻が経営する小さな幼稚園でした。人手不足もあり当初から、ホテルでの仕事から帰ると、夜は幼稚園で事務手伝いをするなど関わっていました。

ホザナ幼稚園ある時、当時は非常に珍しかったのですが、園バスでの送迎と自園での給食を行うことになり、大阪の超一流ホテル・レストランのシェフをしていたのですが一大決心をしてホテルを退職し、通園バスの運転手兼給食調理担当として、幼稚園に加わることにしました。

周囲からは、名店のシェフの座を捨てて・・・と言われましたが、「もてなし」という気持ちは、料理を食べてもらう人であっても、園児であっても同じだと思ったのですよ。

フランス修業時代にまるで家族の一員のようにお世話になったマダムがいて、ヨーロッパの家庭での躾や食に対する考え方などを学んだのですが、私がそのことを日本に伝えることで恩返をしたいという強い思いが従来からあったからです。

『食育』についてはどのように捉えられていますか?

食育は最近盛んに言われていますが、昔から変わることのない、子育ての『根っこの根っこ』だと思います。頭や心の教育などの土台となるものが、食育だと考えています。土台がしっかりしていないと不安定ですよね。

何でも食べることができると子どもは自信になります。偏食がなければ体力もつきます。体力のある子は、粘り強い子どもです。世の中、どんな分野でも最後に勝利をつかむのは体力がある人ということを私自身が痛感していますので、その根本を育てることが食育だと思います。

子どもたちだけでなく、母親向けにも食育の取り組みをされていると聞きましたが

多くの方に「本物」を知って欲しいという思いがあります。食事はあらゆることの基本で、食事を作られているお母さんの役割は家庭のなかでとても大きなものがありますよね。お母さん方にも本物に触れて欲しいと思います。

これまでの料理人としての経験から、いろいろな店のシェフや料理人とつながりがありますので、ボランティアのようなかたちで無理をお願いして(笑)講師として招いたり、保護者向けの料理教室を開いたりしています。

長年、フランス料理を勉強してきましたが、料理を学ぶということは、その国の生活文化を学んできたという思いを持っています。食は文化が根底にあります。子育ての根本として、食を大事にする意識を持っていただきたく園での諸行事や企画を実施しています。

最後に、メッセージをお願いします

ホザナ幼稚園家庭崩壊が社会問題としていわれて久しいですが、私は「食卓崩壊」ではないかと感じています。食事には、親から子どもに対しての、思いやりの愛情が表現されます。

便利なレトルトの食べ物や、手軽な惣菜ではなく、子どものことを考えて親が料理を手作りすることでたくさんの愛情が伝わります。手作りの料理が、親子の絆を生み出し、子どもの精神的な充足を生み出します。

昔は食卓を家族で囲み、親同士が会話し、親が子どもと話す時間がありました。今では個食が増えていることからも、食卓を囲む家族の時間が減っていると危惧しています。親が食卓で話している会話から子どもは学び成長します。
食卓を家族で囲むということに、あらためて関心を持っていただきたいと切に願っています。


プライベートな7つの質問

Q1.好きな食べ物は何ですか?

オールラウンド。料理人なので特定の料理や食材に対して好き嫌いという感情は持たないようにしています。でも、何でも好きなのですよ。

Q2.毎日、習慣としていることは何かありますか?

園庭を毎朝掃除すること。子どもたちが遊んでいる姿を思い浮かべながら喜んでさせてもらっています。

Q3.休みはどんな過ごし方をしていますか?

友人が多く、一緒に食事することが多いかな。

Q4.仕事でスランプや落ち込んだりすることはありますか?

楽天的な性格なので落ち込んだりとかはないかな(笑)。後から考えればあれがスランプだったということはあるが、その時はそういうことはあまり感じない。

Q5.好きな言葉・人生訓をお教えください

「祈りて願うことは、すでに得たりと信ぜよ」

Q6.無人島に食べ物以外で何か持っていくとしたら何ですか?

感謝の気持ちかな。無人島に置かれた境遇を感謝し、食べ物があることに感謝すると思います。

Q7.人生の一番の転機だったできごとを教えてください

サラリーマンを辞めて料理界に飛び込んだこと

無人島の質問に対して「感謝」と答えられて思わず聞き返してしまいました。どんな境遇になっても他人のせいにすることなく、感謝の気持ちを持って、扉をたたき続けていれば道は開けると語られる小西理事長先生でした。

取材:2010年3月


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